2004年2月/ 誕生ハガキ作成
担当 / EIKO GOTO
私に子供が生まれた。名をセイイチローという。41時間以上の長い長い陣痛の後私は分娩台に行った。通常の出産シーンならば大騒ぎのこの場面のはずだが
一度、静かに産む人のビデオを見ていたため、
私もそれを真似てみた。
私の前には医師と助産婦、看護師が二人ほど。
背後には旦那が見守っていた。
そんな中、先ほどまでのたうちまわる陣痛の苦しみを
忘れたかのようにあっさりと「今、力んでもいいでしょうか?」と
聞いた。医師やは「どうぞ」と言い、
そのやりとりを思い出して旦那はいまだに笑う。
通常ならば「痛いとか苦しいとか助けてとか叫びまくるのでは?」と。
私は陣痛ではとりみだしたが出産では綺麗に産みたかった。
決して無理してそうしたのではなくただ単に「早く出したかった」
その気持ちが落ち着かせたのだろう。
三回ほど力んで出てきた。出てきたわが子を見て驚いた。
髪がフサフサだった。
赤ちゃんってほとんど生えてないはずなのに
この子の髪は真っ黒でフサフサだった。
生まれて直後に携帯で写真をとり、
病室で寝ずにウロウロしていた私を
看護師がみて驚いていた。
なんというタフさだろうと私は今思い出しても
自分でおかしくなる。
そんな息子が誕生したことで報告のハガキを作成した。
「赤ちゃんが生まれました」的な可愛らしいハガキだけは
避けたかった。なので旦那がセイイチローに口づけしている
優しい雰囲気の写真を全面に出したかった。
そして知り合いの書家「中島広輝」さんに名前を書いて頂き、
それを載せた。そして足形を載せた。
このハガキは評判で中島さんのお店でも
問い合わせがあったらしい。
自分でも大満足のお気に入りのデザインである。