2008年 5月 /二つ折チラシ作成
担当 / Eiko Goto
「あんた、自信あるの?」
中洲のおかまバーのオーナーのきんぎょさんは言った。
本当は自信はなかった。でもないというと今流れている
空気が変わる気がしたので
とりあえず「あります」と答えた。
「あんた、はいとか言って、そうじゃなかったらぶったたくわよ」
冗談まじりに彼女(彼?)は言った。
ここは、福岡の中洲でも有名な
ショーパブ「ギャグマン」のオーナーが経営する
新しく出来たダイニングのお店「きんぎょ」
明治屋産業時代にお世話になった小野氏から連絡があり
福岡の印刷会社、宗像ビジネスの高山氏から
デザイナーを探しているということで
私が紹介された。そして挨拶にいったその日に、
きんぎょに挨拶にきたのである。
きんぎょはデザインには厳しいという。
「あっと驚くものでないとなかなOKが出ないから
困ってるですよね」と高山さんは言った。
私なんて。。。という気持ちと「私ならば!!」
その二つの気持ちが右へ左へと交差した。
一週間の猶予の中、考えても出ず、
あと三日どうしようと思った。
その夜、息子の見ていた「ドラゴンボールZ」の動画を
何気ななくみていた。
赤とか黄色の光が交差している。
それか廻りくどいセリフが脳を刺激したのか
翌日、ぱっとデザインが浮かんだ。
それからとりかかり最終的に出来上がったのが
打ち合わせに行く前30分だった。
なぜいつもギリギリなんだ。追い込まれないと
出てこんないのか。
打ち合わせに行って披露の時がきた。
オーナーが私の方へ来てニヤリと笑う。
作品を見てじっとみつめこういった。
「センスいいじゃない、気に入ったわ。どっちもつくりたいわね。」
と提案の二つをどっちも印刷するというのだ。
面食らったがほっと安心した。
印刷会社の宗像ビジネス・高山さんも
「こんなケースは皆無です」と言って驚いていた。
その後の最終打ち合わせできんぎょさんは言った。
「あなたが女で私も中が女だからセンスが合うのよね」
そういって下さった時、私はほっと胸をなでおろした。